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美術家の言葉 |
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■岩塩の塊などを、部屋の隅に設置した作品《コーナー・ピース》が意味するものとして(岩塩の塊は展示時に突然割れたり崩れたりすることもある) 「人の心とこの世は、絶え間ない風化にさらされている――知識は無知の石片へと変化するのだ」 ※1
■スミッソンのアース・ワークは、他のアース・ワークのアーティストたちとは決定的に異なるが、その理由ともいうべき自身の“自然との関係・構図”を示すものとして(採石場などをアース・ワークの場に選択する理由でもある)… 「エコロジーというのは、一種の宗教的、倫理的な基調低音をおびている。――それは、いまやもう、ひとつの公認された宗教のようなものなんだな。だけど、そこには19世紀のピューリタン的な自然観にもとづいたところが多いように思うんだ。ピューリタントの倫理では人を自然の外に追いやる傾向がある」(『ザ・シーン』 著:カルヴィン・トムキンズ 発行:パルコ出版) ※6 「ぼくにとっての自然は、三つの側面を持っているんだ。すなわち荒野と、人間が住んできた田園、そして都市的なエリア。それはちょうど、結晶体の生成みたいなものでね。――ぼくがいちばん関心をもっていることのひとつは、廃棄された採石場や古い露天鉱といったところをアース・アートの現場としてもちいるという発想なんだ。こういう廃墟となった景観もリサイクルされて、もうひとつ別のタイプの耕作にあてることができるんだ」 ※7
■スミッソンの最も著名なアース・ワーク作品である《螺旋状の突堤》。その地(ユタ州グレートソルトレーク)を選択した理由として… 「がらくたとゴミの切れっぱしがせき止められた光景を見ているだけで、現代のなかの先史時代に紛れ込んだ気になれる。デボン紀の工業製品、シルル紀のテクノロジーの残骸、石炭紀の機械。すべては、その広漠とした砂と泥の堆積物のなかに消え去せてしまった」 「こうしたちくはぐな建造物の一切を見ていると素晴らしい快感がわいてきた。この場所は、一連の人工のシステムが、うち捨てられた希望の泥沼にはまりこんでしまったことを証拠だてている」 ※3 「石炭岩の波打つ地層がゆるやかに東に向かって傾斜し、黒い玄武岩の大きな塊床は半島のところで列を乱す。それは、この一帯の様相を閉じたものにしている。ここは、この湖で、湖水がじかに陸地に迫る数少ない場所の一つだ。ピンクがかった浅い水の下には泥質堆積物の亀裂の網目が広がり、それは塩の平洲を構成するジクソー・パズルを形成している。私がこの場所を調査したとき、瞬く光は停滞した低気圧を暗示して地平のかなたにまで届き、またその光は風景全体を震わせるようであった。眠っていた自身はざわめく静けさのなかに広がり、「めまい」の感覚のなかに動きもなく伝播した。この場所は、限りない円環のうちにそれ自身を封じ込める回転体だ。この渦巻く空間から、《螺旋状の突堤》の可能性は浮かび上がった」 ※2
■この《螺旋状の突堤》がそこで起こしうる現象と、意味しうるもののひとつとして… 「そして、塩の結晶は、断層の起きた地点付近で、スクリューのように旋回しながら成長していくのだ」「湖の水面は、巨大な集熱鏡の役割を果たしていた。そう思ってみると、湖面に燃え立つ反射は、崩壊した物質が螺旋状にひろがるサイクロトロンのイオン源を想起させた」 ※4
■スミッソンは、アース・ワークを行った場所を「サイト(現場)」、その場所を撮影等したものを「ノンサイト(非・現場)」と呼んだが、その「ノンサイト」は「サイト」の証拠だけではなく他の機能も果たしているとスミッソンは考えそう呼んだと推測できる。その機能のひとつを現しているものとして… 「私のノンサイトの容器には原物の持つ物質的な深淵において経験された断片が集められている」(Quoted in The Writings of Robert Smithson,Nancy Holt,ed./New York University Press 1979 ,87) ※5
■スミッソンの制作のスタンス、考え方の基点ともなってことを推し量れるもののひとつとして… 「今や曖昧なものは退けられずに見とめられ、矛盾は減るどころか増えているほどだ。非論理が論理を知らず知らずのうちに衰弱させている。純粋さは危機に瀕しているのだ」 ※8
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<ロバート・スミッソン関連の書籍>
美術家の言葉の流用、引用先 ※1 『現代美術の歴史 絵画 彫刻.』.. 著:H.H.アーナスン 発行:美術出版社 1995p576 ※2 同上 p578 ※3 『モダン・アートの終焉 ニューヨーク・レポート』... 著:キム・レヴィン 監修・解説:伊藤順二 訳:山下真由美 発行:東京書籍 1991 P89 ※4 同上p90 ※8 同上p93 ※5 『拡張する美術 アメリカン・アート1960―1990』 編集:ディオドラ・サマーベル リサーチ:エミリー・フィリップス 翻訳:木下哲夫、富井玲子 発行:世田谷美術館、国立国際美術館、福岡市美術館 1991 p150―151 ※6,7 「地球の仕事AD2000 プラネット・アースの風水師たち」 著:鷹見明彦 『美術手帖1991年11月号』 発行:美術出版社 p85 |
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