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美術家の言葉 |
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■ルオーが主題として“娼婦”や“下級層の人々”を扱ったことの意味について… 「一生を通じて、私は大人数の家族のために金の心配をしてきた! 未来への、貧乏への不安があったんだ! 私はいつもセザンヌの言葉を繰り返していた。“恐ろしいものだ、人生とは”。どうしたら生きていけるだろうと思ったことさえある。みんなに見離されていたんだ。そして何だって起こるのがいつも遅すぎるんだ。若い頃夢見ていたオランダやフランドルのイタリアの傑作を、私がようやく見られたのは77歳になってからですよ、知っていましたか? 幸なことに、こんなへとへとの生活をしていても、不機嫌にならなかったのが私の支えだった。そのおかけで私は不運にめげずにすんだんだ……。 批評家たちは激しく攻撃してきた。私が不健全な芸術家であり、“醜さの専門家”であり、ぞっとするようなグロテスクなものを毒々しく描く、と彼らは非難した。ポルノグラフィだと非難されたことさえある…。でも、悪を描くこと、腐敗を、いかがわしい快楽を、つくりものの楽園を描くことは、ポルノグラフィだろうか? たしかに売春婦や娼婦たちは、私の作品の中で、聖人や士師やキリストと同じような地位を占めている。しかし現実はさまざまで、悲しく下劣なものであるのと同様に楽しくうきうきするものではないだろうか? そして汚らしい、あるいは卑しいものからでも、美は引き出せるのではないだろうか?」 ※10 「この世界では毎日、私より価値のある無数の名もなく貧しい人々が、その務めを果たそうとして死んでゆくのだ」 Georges Rouault,Sur I' Art et sur la Vie,Paris ,1971 訳 千足伸行 ※8
■人物表現の奥に潜んでいる、ルオーの考えのひとつとして… 「もし私の描く裁判官たちが苦しげな顔をしているとしたら、それは他人を裁くよう定められた人間存在を前にしたときに私が感じる苦痛を、そこに表現しなければならないと思うからである。もしも私が裁判官の顔を被告人の顔と取り違えるようなことが起こったとしたら、その間違いを通して私が感じるとまどいが透けて見えると思う」 ※3
■ルオーの作品の中で繰り返し登場する<ピエロ>が意味するものとは… 「道化師は私なのだ。私たち誰もが金ぴか衣裳をつけた道化師なのだ。誰かがふと私たちを見かけたら、計り知れぬ憐れみの情によって心の奥底までゆさぶられるだろう…」 (1905年頃、エドゥール・シュレ宛ての手紙のなかで) ※5
■ルオーが絵画表現で目指していたものの一つを示すものとして… 「私は美ではなく、表現力の強さ(expressiveness)を追求しているのです」 Georges Rouault,Sur I' Art et sur la Vie,Paris ,1971 訳 千足伸行 ※7 「私は絵具に対する“肉体的な”(Carnal)愛があることを知っている」 Georges Rouault,Sur I' Art et sur la Vie,Paris ,1971 訳 千足伸行 ※9
■ルオーの創作態度を現すものとして… 「私は人が思っている以上に目撃者であり、当事者であって、心やさしい観察者ではない。そのため私は時に、人々の世界とはかけ離れたところで、夢と現実のいたばさみになる」 Georges Rouault,Sur I' Art et sur la Vie,Paris ,1971 訳:千足伸行 ※6 「私はあなたに、一緒に私の展覧会を観にいってほしいと言う勇気が全くありません。私は、あなたと一体であると強く感じながら、(その後で)関係が悪化してしまうのが恐ろしいのです。私は先週の土曜日、壁に自分の絵を掛けながら嫌悪感を覚えてしまいました。今では、公衆の面前で裸にされる以上のばつの悪さを感じています。なぜなら、これらは私の最も内奥の心情、最も純粋な感情を吐露しているからなのです(…)」 (1911年12月、アンドレ・シュアス宛の手紙のなかで) George Rouault,Andre Suares,Correspondance,Gallimard,NRF,1960,lettre n゜3,p8 ※1
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<ルオー関連の書籍>
美術家の言葉の引用先、流用先文献 ※10 『わが生涯の芸術家たち』 「ジョルジュ・ルオー」 著:ブラッサイ 訳:岩佐鉄男 発行:リブロポート 1987 p215 ※1 マルク・レステリーニ(展覧会総監修者) 「ジョルジュ・ルオーに関する批評の変遷」より 『ルオー回顧展カタログ』 発行:アートライフ 1998 ※3 ルディ・キャッピーニ(ルガノ近代美術館館長)「肉体感覚と精神的な光の間で」 『ルオー回顧展カタログ』 発行:アートライフ 1998 ※5 柳 宗玄 「ルオーの道」 『ルオー回顧展カタログ』 発行:アートライフ 1998 ※6〜9 千足伸行(成城大学教授)「内なる神を求めて:ルオーと現代の宗教美術」『ルオー回顧展カタログ』 発行:アートライフ 1998 |
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