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美術家の言葉 |
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■ゴッホ自身の“色彩”についての考え方… 「君は理解してくれるだろうか。音楽で慰めの言葉を語ることができるように、同じように、ただ色彩を配置するだけで詩を語ることができるということを」 (妹ウィレミーン宛の手紙 書簡W9 1888年、アルル) ※1 「私は極めて単純な色を使う。それらを自分で変えたりはしない。それをやってくれるのは色彩相互の関係なのだ」 (書簡429) ※2 「調子と色彩を同時に出すことは不可能だ」「北極と赤道に人は同時にいることはできないのと同じだ。どちらをとるのか決意することが必要なのだ。それを僕もはっきりと決めようと思う。それは多分、色彩の方だ」 ※3 「僕は、眼の前にあるものを正確に現そうとする代わりに、激しく自分を表現するために、色をもっと気ままに使うのだ」(書簡520) ※8
■ゴッホが色彩に託した効果を解説するものとして… 「この生き生きとした、しかも穏やかな背景の上に僕は複数の人物を描いてみたいのだ。この絵は、全体を緑にまとめるために様々な色調の緑を同じ強さで案配し、その色の振動から風に揺れ動く麦の穂の柔らかいざわめきを醸し出そうというものだ。これは色づけが一筋縄ではいかない」 (ゴーギャン宛の手紙 1890年 オヴェール) ※4
「まず、できるかぎり忠実に描くことから始める。だが、これは始めだけで、いよいよ仕上げの時には僕は勝手気ままな色彩画家となる。僕は髪の毛の美しさを誇張して、むしろオレンジの色調、クローム・イエロー、薄いレモン・イエローまで行く。顔の向うには、月並みな部屋の平凡な壁を描くかわりに、僕は無限を描く。考えられる限りの豊かな強い青で真率な背景を描く。輝くような頭部とこの豊かな青の背景との強い組み合わせから、青空の奥の星のような神秘な効果を生み出す。農夫の肖像でも、僕は同じ方法をとる。無限の彼方にある淡い星の神秘的な光をだそうとは思わないが、ここでは、南の国のただなかで、そしてまた収穫物の溶鉱炉のただなかに立つ、恐ろしいほどの人間を描くべきだと思っている。だから、雷光のようなオレンジと灼熱した溶鉄のような生き生きとした赤の色調、だから陰の部分では古い黄金が光っているような調子をだす」 (書簡520、アルル) ※7
■色彩を活かすためにとゴッホが考え、実践していたものとして… 「明日からは、絵具が届くまでデッサンをやろう。でも、今では下絵のための木炭のデッサンはきっぱりやめている。そんなことをしたって何の役にも立たない。いきなり絵具でデッサンするんだ。その方がデッサンとしても良いのだ」 (テオ宛の手紙 1888年アルル) ※5 「色彩が生命を求めているとき、真の素描は色彩によってモデリングされなければならない」 (書簡459a) ※8
■ “タッチ”の意義について… 「タッチ、筆勢とはなんと不思議なものだろう。戸外で、風に吹かれ、太陽や人々の好奇心に晒されながら、できる限り仕事をしようと急いでキャンバスに絵具をみたす。そんなやり方でも、真実や本質的なものを−--いや、これこそはいちばんやっかいなものだけれど−--つかまえているものだ。しかし、しばらくして、その習作を取り出し、描いたもののことを考えながら筆勢を整えたりしてみると、確かに、いっそう調和のある見やすい絵になっている。心を静かにして微笑みながら得たものが、そこに付け加えられているのだ」 (テオ宛の手紙 書簡605 1889年) ※10
■ゴッホが憧れた“日本”と日本人に対して、想像上から見出したこと… 「日本の芸術について勉強していると、疑いもなく賢者にして哲学者という知的な人間に出会う。この人はなにをして時を過しているのだろうか。地球と月の距離を研究しているのか。いや、ちがう。彼は一本の草の芽を研究しているのだ。 しかし、この草の芽は、彼にすべての植物を、そうして四季を、壮大な風景を描きださせ、ついには、いろいろな動物、それから人間の姿を描き出させるようになる。彼はこうして生涯を送るが、人生はすべてを描くにはあまりに短い。 ねぇ、これこそはほんとうの宗教というものではないか。これら日本人がわれわれに教えてくれる、こんなにも単純で、まるで自身が花であるかのように自然のなかに生きることこそ」 (書簡542 テオ宛の手紙 1888年、アルル) ※11
■自分自身を支えた考え方のひとつとして… 「芸術は僕らにどれだけの美を与えてくれることか。見たものを心に留めておくことができるかぎり、人はけっして空しくもないし、ぜったい孤独ではないし、ひとりぼっちでもない」 (テオ宛の手紙 1878年 ラーケン) ※6
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<おススメの1冊> 『ゴッホ 自画像の告白』 画・文:ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ 編・訳:木下長宏 発行:二玄社 1999
<ゴッホ関連の書籍>
美術家の言葉の引用先・流用先文献 ※1 『ゴッホ 自画像の告白』 画・文:ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ 編・訳:木下長宏 発行:二玄社 1999 p20 ※10 同上p54 ※11 同p44 ※2 千足伸行 「近代絵画の色彩:ドラクロワからフォーヴィスム、表現主義へ」 『メルツバッハー・コレクション展』 監修:千足伸行 発行:東京新聞 2001 p28 ※3 『知の再発見 双書03 ゴッホ−−燃え上がる色彩』 著:パスカル・ボナフー 監修:嘉門安雄 発行:創元社 1990 p92 ※4 同上 p147 ※5 同上 p141 ※6 同 p173 ※7 木島俊介 ゴッホの四季、ゴッホの人生 「クレラー=ミュラー美術館所蔵 ゴッホ展」 監修:木島俊介 編集:宮澤政男 発行:日本テレビ 1999 p19 ※8 同上 p24 |
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