美術家の言葉red05_next.gif 番外編>ジョン・コンスタブル


  

  

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美術と近代社会史 英国19世紀初頭

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現在では“Skying”の画家ともいわれるコンスタブル。その風景画の中における“空”の役割をどのように位置付けていたか(こだわっていたか)を示すものとして…

 「風景画家で、空を画面構成中の非常に大切な部分と考えていない者は――強力な武器の一つを無視していることになります。……私はしばしば、私の空を次のように考えるように示唆して来ました――すなわち、『対象の後に引かれた白い幕』としてです。たしかに、空が邪魔になるのであれば――それはいけませんが、もし空虚なものであれば(私のはそうではありませんが)、それはもっといけないのです。

……空が主調音、音階の基準、そして豊かな感情を奏でる最高のオルガンになっていない、そのような種類の風景画を名指すことは困難でしょう。するとあなた、私自身の白い幕は何の役に立つのか、とお考えになるでしょう。たとえ、いかに私がそのような理屈に心酔していようと、また、それが正しいことに違いないとしても……。毎日の天気を知るにも、私たちは普通空の様子を窺いますが、作品ではそんなことは起こりません。構図にしても、実際の制作においても、絵の中の空はたいへん難しいのです。なぜなら、その輝かしさと重要さにもかかわらず、それは目立ってはならないし、絵の中ではほとんど意識されないようでなければならないのです―‐最遠景以上にそうなのです」(ジョン・フィッシャー宛の手紙 1821年10.23 R.Bベケット編「ジョンコンスタブルの書簡」6巻 76―77)※1

 

コンスタブルが考える“風景画にとって必須の要素”とは何かを示すものとして…

 「こういった主題は、展覧会ではひどくありふれたものです。そして実際、それらの作品は、風景画が表現し得るあの美しい感情を、ほとんど伝えることができないので……美術に多くの害悪を及ぼしているのです」((ジョン・フィッシャー宛の手紙 おそらく1824年8.29 R.Bベケット編「ジョンコンスタブルの書簡」6巻 171)※2

 「彼らは画家としてのあらゆる技巧を備えているが、(風景画の基本となる)田園生活の感情をまったく知らないのです――貸馬車の馬が知っている田園、そんな程度なのです」 ※3

 

上記を補完する、自然に対する画家としての取り組み方として…

 「巨匠たちが彼らの最高の作品を単なる実験として、しかも彼らの希望や願望、あるいは彼らが自然の中でみたすものと比べれば失敗した実験と見ていたことは間違いない。われわれが芸術の完璧さを話題にする時は、画家が自然と競う時に武器とする素材は何なのかを思い起こす必要がある」※4

 

コンスタブルの考え方の一端を示すものとして…

「このような時代にあっては、絵画というものはただ手放しで感心しながら見たり、詩的な高揚と考えたりするのではなく、正規の、科学的で機械的な追求の対象として理解されねばなりません」(C.R.Leslie: Memoris of the Life of John Constable : Composed Chiefly of his Letters, Ithaca New York, 1980,p272) ※5

 

コンスタブル自身が、風景画の中で自身が新たに成しえたと考えていたことについて…

 「なぜなら、私が『色彩』の喜びに『光』を付け加えたのです。すなわち、(誰よりも新鮮な)ロイスダールもホッベマも暗いのです――このことが正しいとすれば、私はこのまま続けなければなりません」(ジョン・フィッシャー宛の手紙 1824年11.17 R.Bベケット編「ジョンコンスタブルの書簡」6巻 181)※6

 


 

 

  

 

 

 

green07_next.gif ジョン・コンスタブルの「美術家DATA」

 

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美術家の言葉の流用先、引用先

※1 『CONSTABLE(日本語版)』 解説:John Walker 訳:阿部信雄 発行:美術出版社 1989 p98

※2 同上p136 ※3 同上p106 ※6同上p116

※4 グレアム・レイノルズ 「コンスタブルの芸術の展開」 訳:千足伸行 『イギリスの詩情 コンスタブル展』 監修:千足伸行 発行:読売新聞社 1986 p27

※5 千足伸行 「雲と虹の詩学 ――コンスタブルとロマン派」  『イギリスの詩情 コンスタブル展』 監修:千足伸行 発行:読売新聞社 1986 p33