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ビル・ヴィオラが自身の創作の中心に据えているテーマとして…

 「すべての作品において、ただ一人の人物が、そこで演じられたり、自然に起こったりするさまざまな行為の当事者か受容者として登場し、ついには儀式化された死と再生のサイクルを構成するようになる」※1

 「私は常に基本的な人生のプロセスに興味を持ってきた。作品の大部分は、死、あるいは死ぬべき運命に関係があるが、実は、誕生も死もそのことについての認識もみな含まれている」 ※6

 

ヴィオラ作品の構造(なぜそのような場所、時刻、設定を選択をするのかetc)を垣間見られる自作の解説…

 「この作品では、イリノイとサスカチュワンの寒々とした冬の草原のイメージを、砂漠の蜃気楼に対比させているが、そこでは正反対の気候条件が、不確実で見慣れない、方向感覚を喪失したような、類似した雰囲気を醸し出す。

この作品は結局のところ、蜃気楼というよりも、イメージの限界をあつかったものなのである。つまり通常の状態が崩壊したり、十分な視覚の情報がえられなくなることが、われわれの現実の認識を再検討させ、何か普通でないものを見ているのだということを理解させる――物理的なものから心理的なものへの変容が起こる――のは、どれぼとの距離点においてであるか、ということである」 ※2

 

 「早朝の通りという物理的な空間に対して時がかける魔法が、この作品のエッセンスである。常に多くの人々――そのほとんどは眠っているが――が見えない存在として周囲を取り巻いている。そして、カメラは人々が夢を見ているあいだに目覚めている。ロケの収録を日中でなく真夜中に行ったのは、これらの物理的空間が、昼間のなじみ深い思考や活動から、空虚さと不明瞭さをもった夜の影へと変化――図と地の反転のような――するのを示すためである」 ※3

 

作品内でよくスローモーション使用することのひとつの意図となるもの…

 「これから先に起こることは誰にも予測できない。私は「瞬間」が持っている効力に興味がある。だから、作品にはスローモーションをよく使う。世界をもっと広い視野から見るため、感覚を機能させるシステムを獲得するために、ある種の制限を与えているのだ。あらゆる偉大な宗教が、伝統として肉体的な修行を展開させている。それは感覚による認識の限界を超え、肉体を超えたところへたどり着こうとするものだった。

 道具としてのビデオ、サウンド、また私が作る室内空間は、それと同じような体験をする手助けとなるものだ。アート作品というのは、見る人が生き方を変えたり、人生についての理解を改めるきっかけになる道具だと思っている」 ※4

 

ヴィオラ自身が考える、ビデオ・インスタレーションの効力といえるもの…

 「ビデオは知識や合理的な考えという概念と相反する生存や存在といった概念を、うまく体現することができる。それはプロセスであり、画像は継続的に創造されるが、フィルムストリップのように静止した画像ではない。ビデオはダイナミックなエネルギーを有するシステムで、すべての瞬間に画像を生み出していく。今の瞬間だけでなく、自分の身体をダイレクトに画像に結びつけることが可能になる」 ※5

 

 


 

 

  

 

 

 

 

green07_next.gifビル・ヴィオラの「美術家DATA」

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美術家の言葉の引用先、流用先

※1 『ビル・ヴィオラ ヴィデオ・ワークス』 企画:NTTインターコミュニケーション・センター(ICC) 和訳:白井雅人 発行所:NTT出版 1997 p14

※2 同上p27 ※3 同上p29

※4 『THE NOW ART BOOK』 監修:ヴァルデマー・ヤヌシャック テキスト:セリア・リッテルトン企画編集:資生堂企業文化部ザ・ギンザアートスペース『ル・ミレニュム』編集部 平山景子、豊田佳子、深井さえ子 発行:光琳社出版 1996 p163

※5 同上p162 ※6 同上p162