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美術家の言葉 |
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■オピーが作品制作の際に注意している、自身の基準のひとつに言及したものとして… 「ぼくは、自分で一群の決定と呼んでいるものに基づいて制作を行っている。表面をどうするかの決定、本体をどう構築するかの決定、そして、どのような世界に言及し暗示するかの決定だ。(中略)… 84年の「メタファーとシンボル展」に出品した《図書館での事件》という作品がいい例だ。ストーリーは単純だよ。わかるかい。本をあまり高く積み上げたんで崩れ出したということで、本は1890年代の西洋文化を表している。とくに凝ってもいないわかりやすい作品だ」 ※1
■ジュリアン・オピーを著名にした、一見工業デザイン的で無機質な立体作品が内包するものとして… 「ぼくの世代の特徴かもしれないけれど、美術館へ行って作品を鑑賞するという態度、つまり作品をみて美しいかどうかを判断するという見方には、欲求不満を感じるんだね。作者の経歴とか、絵の具の使い方とか、才能の有無とか、そういった問題にはもう興味を感じない。もっと違う形で観客を作品に関わらせたいんだ。……今回展示した作品については、認識とか関連付けという側面が大きいね。(中略)…… たとえば、このガラスコップを見て、美しい、とか、どういうガラスを使っているんだろう、とは思わないね。ただ、飲み水を入れるコップだと思うだけだ。それと同様に、ある種のパターンに沿って脳が作品を既存の物と関連付けて認識する、そこがおもしろいんだよ。 (中略)…… ふつうの美術作品を鑑賞するときみたいに、作者の才能がどうとか考えはしない。これはいったいなんだろう、ということで頭が一杯だ。ぼくの狙いは、こうした見方をしてもうことで、それがここではストーリーに匹敵するんだよ。ストーリーを読み取る代わりに、理解しようとして模索するわけだね」 ※3
■スタイル(作風)を絶えず変化させ続けることに対する、自身のスタンス・思考を現すもののひとつとして… 「表面が重要でないというわけじゃないよ。表面と中身は別なものだと言っているんだ。物の根底には真実が存在するという考え方があるよね。科学には強くないけど、今世紀初頭まで、万物の基礎には厳然たる法則、ニュートンの法則があり、すべての物はそれに従うと考えられていた。しかし、今ではそんな絶対的な法則があるのかどうか定かでなくなった。 (中略) かつての科学者は、物の根底に絶対的な構造基礎を見つけようとしたけれど、現在では、混沌という考えが大勢を占めている。真実などないというのが真実だというわけだ。あらゆる物は変化し、概要しか捉えられないのだから、それにこだわるのは間違いだ、というんだが、この考えは納得できるね。ロンドンにいると、あまりにも雑多な文化が入り交じっていて、イギリス文化がなにかわからなくなる。だけど、そんなものを見つけようとするのはナンセンスだ。それよりは、混乱した現実の方がずっとおもしろいよ」 ※2
「物事の見た目は大切だから、それにとらわれてしまいがちになるけど、外見自体を最終地点に設定してしまうと、いつまでもそこで行きづまるはめになる。それに自分の好きな主題や過去の作品の歴史の奴隷になって、それをコピーする以外はなにもやりたくなくなってしまう危険もある」 ※4
■近年制作しているフラットな絵画作品における、自身の解説ともなるものとして… 「僕らの話しているフラットさは、この意味での平面性とはまったく違うものだ。彼ら(この前にステラやロスコのことに対して言及している)が問題にしていたのは、伝統的な絵画性(ピクトリアリティ)との決別だけれど、僕たちはふたりともピクトリアリスト、絵を使っている人間だ。 ……(中略)…… 僕らの作品では、目に映るものが見えてくるもののすべてではない。見えてくるもの、それは、もうひとつの世界、もうひとつの可能性の姿だ。……(中略)……そこではオーディエンスとの関係が重要になる。作品のオーディエンス自身がカメラを覗き込み、ウインドウ・スクリーンを前にシートに座ることになる。たぶん作者である僕ら自身も。 そこでフラットさは、言語(ランゲージ)の問題になるんだと思う。物事を言語に転換し操作することについての問題に。僕らはイメージを使うけれど、それは現実の世界自体のイメージではなく、それを言い表わすランゲージなんだ」 ※5
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<ジュリアン・オピー関連の書籍>
美術家の言葉の引用先、流用先 ※1 「ジュリアン・オピー ハンドメイドのインダストリアル・シェイプ」 インタビュー:美術手帖編集部 通訳・翻訳:山本美智子 『美術手帖1991年9月号』 発行:美術出版社 p128 ※2 同上p133 ※3 p128‐129 ※4 「世界同時発生的、超平面絵画 スーパー・フラット・シンクロニシティ 対談 ジュリアン・オピー×ヒロ杉山」 通訳・翻訳:川出絵里 『美術手帳2001年1月号』 発行:美術出版社 巻頭見開き ※5 同上
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