美術家の言葉 red05_next.gif シュルレアリスム>ジョアン・ミロ


  

  

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絵画の制作技法・構造と効果 目次

 

ミロが、絵画作品の構成要素として重要だと考えていたもののひとつとして…

 「わたしがキャンヴァスに描き写すさまざまなしるしは、まさにその瞬間にはわたしの心の具体的な表れであって、実在以外の何物でもなく、本質的に現実の世界に属するものなのに、そんなことはまるで理解できないらしい。

 実際のところ、わたしはこのごろますます作品の主題に重きをおくようになってきている。見る者に余計なことを考えさせる暇をあたえずに眉間に一撃をおみまいするには、豊かで香り高いテーマがぜひとも必要だとわたしは思う。そうすれば、絵画的な表現を得た詩が自らのことばを語るだろう……千人の文人のかわりに、わたしには詩人をひとりよこして欲しい」 ※1

 

ミロが多大な影響(ある意味で目覚めた)を受けたもののひとつとして…

 「クレーと出会ったことは、私の一生でもっとも重要な出来事だ。彼から影響を受けることによって、私の絵はあらゆる地上の束縛から自由になった。クレーは私に、ひとつの斑点、ひとつの渦巻、一個の点でも、絵画の主題になりうることを教えてくれたんだ、顔や風景やモニュメントと同じように…」 ※2

 「私はガウディが色彩に卓越した役割を演じさせていることに感銘を受けた。モザイクもセラミックもきらきら輝いているんだ。私の芸術のすべてはそこから発している!」 ※4

 

ミロが目指していた“絵画”を表すもののひとつとして…

「『アルルカンのカーニヴァル』のために、私は数多くのデッサンをし、そこに空腹がもたらす幻想を描きとめた。私は夜食もとらずに家に帰り、湧き出る感じを紙にしるした。その年、私は頻繁に詩人たちに会った。それは、造形的な物を超えて詩に到達せねばならないと感じていたからだ」 ※6

 

ミロの作品における、ある側面での解説ともなるものとして…

  「体の全体が、腕や手足と同じ性質を持っているように、絵のなかのものは全てが同質でなければならない。

 私の絵には、一種の血液の循環がある。あるフォルムが位置を変えれば、この循環は停止してしまう。均衡が破られるのだ。ある絵に満足がいかない時には、私は肉体的な不快感を覚える。まるで自分が病気であり、心臓の具合が悪いかのように。もう息ができず、窒息してしまうかのように。

 私は、熱中して気持ちが高ぶった状態で仕事をする。絵を描き始める時には、肉体の衝動やのめり込もうとする欲求に身を任せる。それは、肉体の放電のようなものである」 (ジョアン・ミロ 「私は庭師のように制作する」 イヴォン・タヤーンディエによって収集された言葉より。『20世紀』誌所収、パリ、1959年2月15日) ※5

 

 「私の絵はいちばん抽象的に見えるものでも、具体的な現実から発しているんだ。それに、滑稽さへと向かう私の性向は、シュルレアリスムのほとんど宗教的なまでのまじめさとは相容れないものだ。私はダダイストの方に親近感を感じていたね。彼らの自由奔放さ、奇抜な素材への依拠、絵画や彫刻に対する愚弄ぶりといったものの方が、むしろ私の気質にあっていたんだ」 ※3

 「いたるところに太陽があり、若草の芽があり、とんぼが螺旋状に飛んでいる。そこに、つまり私たちの厄災のことなどにまったく無頓着な自然のなかにとどまることから、勇気が生まれてくる。どんな小さな砂屑すらも、あの奇蹟にみちた魂をもつものだ。だが、それを理解するには、ものごとについての宗教的な、魔術的な感覚、原始人たちの感覚をみいださなければならない」※7

 


 

 

 

  

 

 

 

 

green07_next.gif ミロの「美術家DATA」

 ジョアン・ミロ関連の書籍

 

美術家の言葉の引用先、流用先文献

※1 『抽象美術入門』 著:フランク・ウイットフォード 訳:木下哲夫 発行:美術出版社 1991 p44-45

※2 『わが生涯の芸術家たち』 「ジョアン・ミロ」 著:ブラッサイ 訳:岩佐鉄男 発行:リブロポート 1987 p158

※3 同上 p158 ※4 同上 p162

※5 「身体と表現 1920−1980 ポンビドゥーセンター所蔵作品から」 編集:東京国立近代美術館、市川政憲、千葉成夫、中村和雄 発行:NHK、NHKプロモーション 1996 p120

 ※6 神吉敬三 「風土の摂理と造形の発見」 『美術手帖 1977年5月号 特集 ミロのメタモルフォーズ』 発行:美術出版社 p66―67

 ※7 中山公男 「<星座>と開かれた謎」  『美術手帖 1977年5月号 特集 ミロのメタモルフォーズ』 発行:美術出版社 p84