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ピーター・ハリーが幾何学的形態を使用して制作することの理由、意味として…

 「学生のころはそれをユニバーサル・オーダーと結びつけて考えていた。つまり幾何学は自然の背景にある秩序とかプラトン的秩序とか完全な数学を意味するとかね。モンドリアンやニューマンやドロシア・ロックバーンなんかの考え方さ。でもだんだんその考え方に幻滅を感じはじめた。

 幾何学的フォルムは理想を表すフォルムなんかじゃなくて、実用的、政治的、社会学的な目的をもってわれわれをとりまいている工業社会およびポスト工業社会の理念なんだと考えはじめた。そこで幾何学的抽象から従来のヴォキャブラリーをはぎとって、僕が呼ぶところの工業空間・ポスト工業空間における抽象芸術の展開に結びつけようと考えた」 ※1

 

ピーター・ハリーの幾何学的形態の作品が意味するもの、ハリーが描いているものの解説ともなるものとして…

 「幾何学は美術の分野というよりは現代社会の仕組みを考えるのにとても重要な方法になったと思っているんだ。都市の再開発や経済のシステムを幾何学的に構想するという意味ばかりじゃなくて、われわれは現実を幾何学的な表現として受け取っているし、現実を再現するのに幾何学を用いているわけでしょう」 ※2

 

 「前は伝統的で外在的な疎外の概念について興味があった。でも、最近の絵ではほとんど何もないような作品になっている。昔の作品では「監房(セル)」と「接続回路(コンデューイット)は接続されていたんだけれど、最近のでは結びついてはいなくなってきているんだ。これはボードリヤールが言うサーキュレーションの考えよりもさらに疎外的な状況を現わしているんだ…」 ※3

 

ハリーが制作において意図していることのひとつとして…

 「僕が60年代の美術にあった、より大衆的で紛糾した感じの複雑な問題意識に戻ろうと考えていることは確かだね」※4

 


 

  

 

 

 

green07_next.gifピーター・ハリーの「美術家DATA」

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美術家の言葉の引用先、流用先

※1 「ピーター・ハリー 記号を触感的に扱いたい」 インタビュアー:篠田達美 「美術手帖1987年12月号」 発行:美術出版社 p42

※2 同上 p46 ※3 同上 p51

※4 同上 p56