Jean-Baptiste Camille Corot


  

  ジャン=バティスト・カミーユ・コロー


  

  

 

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美術と近代社会史 フランス19世紀中期

美術家DATA バルビゾン派目次

美術家の言葉 目次

ism(美術運動)の証言 目次

絵画の制作技法・構造と効果 目次

経歴

 1796 パリの女性用高級帽子店で生まれる。父は衣服商を営む。母は店の仕事に忙しく、4年間里子に出される。

 父親からの要望でパリの織物商の店員となるが、美術の興味が強く、野外スケッチにあけくれる

 26歳で画家になることを認めさせ、古典的風景画家のミシャロンのアトリエに入門。次についた師のベルタンから戸外制作をすすめられる

1817 両親がヴィル・ダヴレーに別荘を購入し、その一室を自分のアトリエとした。

1822 フォンテーヌブローの森で制作開始

1825 最初のイタリア旅行へ。以後、1834、1843にも同国に滞在

1827 イタリアからサロンに『ローマ郊外』など2作品を出品し初入選する。同年に帰国

1830 七月革命を避けてパリからフォンティーヌブローなどのノルマンディ地方へ。当地で制作

1834 二度目のイタリア旅行。半年の滞在でジェノヴァ、フィレンツェ、ベニス、コモ湖で写生。『フィレンツェ、ボボリ公園からの眺め』などを制作

1835〜神話などをモティーフにした作品を描き出すが、サロンで不評

1840 ロスニー教会のための作品がサロンで絶賛され、ルーヴルでのサロンではメインの場所に作品が展示される。

 政府が『羊飼いの少年』を買い上げる。それまで作品がコレクターには売れていなかったが、これを機にさまざまな買い手が現れる

1843 ローマに夏滞在。

1846 人物のいない森の風景画という野心作『フォンテーヌブローの森』がサロン入選。詩人のボードレールなどが好意をあらわす

レジオン・ドヌール・シュヴァリエ勲章受賞

1848 二月革命が勃発しても、政治には関心を示さず。無審査となったサロンの展示委員に。作品を革命政府が買い上げる

1849 サロンで審査員に選出される。同年にも『オリーヴ園のキリスト』が政府買い上げとなる

1851 サロン出品作『朝、ニンフの踊り』が観客から最も支持され、政府買い上げ

1853 写真研究家キュヴリエからガラス版画をすすめられ制作

1855 パリ万博美術展に出品しグランプリ受賞。ナポレオン三世が『マルクーシの思い出』を買い上げる

1858 油絵の競売で38点全て完売

1862 ロンドン万博に出品し、それにともない短期間の旅行。モシュロン村などでクールベと画架をならべて制作

1864  サロンが民主的に改組され、それにともない審査員に推挙される

1866 サロン出品の『孤独』を皇帝が買い上げる。リューマチになり療養に

1867 パリ万博に出品。二等賞。レジオン・ドヌール勲章オフィシエ章を受章

1870 ナポレオン三世退位で改組のサロンに出品。普仏戦争中に絵を売ってパリ市に献金

晩年には多くの下絵描きの助手を通わせ、自身が改作する工房ができる。絵を売った金は、孤児院、修道院、貧しい画家やモデルなどに与えられた。そのため、後に贋作と位置ずけられるものが非常に多い

1875 パリにて死去

 

売りたて時の印は

 VENTE COROT

 

 

  

 

<国内で見られる主な絵画・所蔵品>

●村内美術館

制作年

小さな水門のある草原

1855-60

少年と山羊

1847

夜明け

不詳

ヴィル・ダヴレーのカバスュ邸

1835-40

黄色い帽子の女

1840-45

ドゥララン嬢

1845-50

アルバノ湖畔のフルート奏者

1871

ミドゥーズ河畔

1872

●国立西洋美術館

 

ナポリの浜の思い出

1870-72

●東京富士美術館

 

ユディト

1872-74頃

もの思い

1865-70頃

●千葉県立美術館

 

フォンテンブローの風景

1830-35

ナポリ近郊の思い出

1860-65

●山梨県立美術館

 

大農園

1860-65

●ブリヂストン美術館

 

森の中の若い女

1865

イタリアの女

1826-28

ヴィル・ダヴレー

1835

オンフルールのトゥータン農場

1845

●栃木県立美術館

 

ヴィル・ダヴレーの池

1847

●新潟県立近代美術館

 

ビブリ

1874-75

●静岡県立美術館

 

メリ街道、ラ・フェルテ=ス=ジュアール付近

1862

●島根県立美術館

 

舟渡し、ドゥエ近郊

1870-72

●ひろしま美術館

 

ボロメ島の浴女たち

1872

花の輪を持った野の女

不詳

●愛媛県美術館

 

ヴィル=ダヴレー白樺のある池

1855-60頃

■中村コレクション(中村武夫氏)

 

鳥の巣を捕る子供たち

1872‐73頃

牛飼いの女と池の見える風景、ヴィル・ダヴレー

不詳

小川を渡る山羊飼い、イタリア風景

1865‐70頃

雛菊を摘む女たち

1865‐70頃

タンポポを摘む女たち

1865‐70頃

ル・トレポール、船着き場

1855‐65頃

湖の畔(イタリアの思い出)

1855‐60頃

果樹園、摘み取りの季節

1850‐60頃

サント=カトリーヌ=レ=ザラスの草原

1850‐55頃

大樹のある沼地と山羊飼いの女

1850‐55頃

窪地の牛を飼う女

1845‐50頃

網を引く漁夫、夕暮れ

1847

ヴェネツッア、大運河上のゴンドラ

1834

ナポリの若いオレンジ売り

1828

平原の樹木の列

1860‐65頃

モンマルトルの風車

1822

祈る農婦

1840年代

チェロを弾く修道士

1872

 コローの版画

 1845年から1874年までの間に14枚のエッチング、20枚のリトグラフ、66枚のクリシェ・ヴェール(ガラス版画)を制作。

●山梨県立美術館

森を行く馬上の少年、アンリ8世の塔、森の入り口の母子、野外の昼食、バ・ブレオーの思い出、幼い妹/ガラス版画1854、羊飼いの少年第2版/ガラス版画1855 その他多数あり

●国立西洋美術館

幼い妹、森の中の騎手、夢想者、若い娘と死神、幼い羊飼い(第1,第2版)、ペリクレスの庭園・画家たちの小道・なぐりがき、オスティアの想い出、ホラティウスの庭園、森の入り口に立つ若い母親、山の木々、林間の空き地での昼食、ガリア人の輪舞、バ=ブレオの想い出、などのガラス版画

●村内美術館

ホラチウスの庭 /ガラス版画 1855

●北海道立近代美術館

 版画15点あり

コローは技法の向上には向かわず、精巧な作品よりも明暗や軽いタッチの即興的なものが中心

  

 

より理解のために

green07_next.gif コローの「美術家の言葉」

コローの作品は、少し離れた場所から見るのがベスト・ビュー・ポイント? 近づきすぎると、省略されたタッチが目につきます。

 詳細な部分を丹念に描きこんでいるわけではありませんし、実像の印象などを描いているという意味で、印象派のさきがけともいえるのでしょう。

コロー関連の書籍

 

参考文献

「ミレーとバビルゾン派の画家たち1849-1875」収録 バビルゾン派美術館館長・マリー=テレーズ・カイユ編 発行:毎日新聞社 1996

「バビルゾン派への旅〜森のなかの画家たち」村内美術館・編著 発行:クレオ 1997

「山梨県美術館蔵品抄」発行:山梨県立美術館 1990

「栃木県立近代美術館所蔵品目録・洋画・彫刻」発行:栃木県立近代美術館 昭和55年

「新潟県立近代美術館所蔵品目録」発行:新潟県立近代美術館 1993

「島根県立美術館コレクション選」発行:島根県立美術館 1999

 「ひろしま美術館所蔵品図録−西洋編」発行:ひろしま美術館 1994

 「北海道立近代美術館所蔵品図録T」発行:北海道立近代美術館 昭和62

   「愛媛県美術館所蔵作品選」発行:愛媛県美術館 1998

「東京富士美術館所蔵 名品選集U 西洋絵画」発行:東京富士美術館 1991

 「千葉県立美術館収蔵品目録」発行:千葉県立美術館 1989

「ブリヂストン美術館名作選 西洋編」発行:ブリヂストン美術館 1985

 「中村コレクション秘蔵の名品 コロー、ミレー バルビゾンの巨匠たち」発行:読売新聞社 2002(展覧会図録)